破風板(はふいた)とは屋根の側面を覆う板で、正面から見ると全体が三角形のような形をしています。建物を雨風から守っており、機能を維持するためには定期的に塗装する必要があります。
しかし破風板の塗装と聞いても、
「破風板を塗装する際の注意点って何?」
「自分の家の破風板に合った塗装って?」
という疑問を抱く方も多いかと思います。
今回の記事では破風板を塗装する際にどの家にも共通する注意点から、破風板の素材ごとの特徴まで紹介します。
破風板のメンテナンスを検討している方はもちろん、必要性について知りたい方もぜひ最後までご覧くださいね。
破風板の塗装に関する注意点
破風板の塗装に関する注意点を4つ紹介します。
- 業者へ依頼する
- 破風板の色は基本的に屋根と合わせる
- 5〜10年に1度はメンテナンスする
- 相見積もりをとる
破風板の塗装を失敗しないための知識をまとめていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
1. 業者へ依頼する
破風板の塗装が必要になったら必ず業者へ依頼しましょう。「ペンキさえ買ってくれば自分でもできそう」と思うかもしれませんが、破風板は素人が塗装するには難易度の高い場所で、作業では安定した足場を組む必要があります。万が一不十分な足場の上で作業した場合には、事故につながる恐れもあるのです。
破風板は屋根の横や下から入る雨風をしのぐ役割を果たしているため、完璧に塗装できていない場合は、屋根や建物の劣化を引き起こす危険性があります。屋根裏に雨風があたることを防ぎ、かつ安全に塗装するためには、DIYではなく知識と技術を保有する業者へ依頼しましょう。
2. 破風板の色は基本的に屋根と合わせる
破風板を塗装する際は、屋根の色に合わせるようにしましょう。色味に統一感が出て、全体的にすっきりとした印象になります。色選びで悩んでいる方はぜひ屋根と同じ色を選んでみてください。
一方で、あえて屋根や外壁とは異なる色でアクセントをつけるという方法もあるので、個性的な外観にしたい方は参考にしてくださいね。
屋根と同様に、破風板は雨風や土ぼこりを浴びるため汚れが付きやすいため、紺色や深い緑色などの濃い色がおすすめです。白やパステルカラーといった明るい色は立体感や明るさを出しますが、汚れが目立つため、より短い期間での塗り直しが必要になります。
破風板の塗装で色を選択する場合には、おしゃれさよりも汚れにくさを意識して、屋根と同じ濃いめの色がおすすめです。
3. 5〜10年に1度はメンテナンスする
破風板は5〜10年に1度は業者にみてもらい、十分な防水性が保たれているかをチェックしましょう。万が一剥がれてきていた場合は、水が染み込んで破風板自体が痛んでしまい、より大規模な工事が必要になる恐れがあります。
もし5〜10年以内であっても以下のような状態であれば業者へ一度見てもらうようにしてください。
- 塗装が剥げている
- 塗装の色があせている
- 破風板が割れている
- 破風板の形が崩れている
上記の4つの状態を確認した場合には、早急に業者へみてもらってください。塗料の種類によって耐用年数が多少前後するため、正確なメンテナンス時期を知りたい場合は、塗装してもらった際に業者へ確認しておくのもおすすめです。
4. 相見積もりをとる
破風板のメンテナンスをする際には、必ず相見積もりをとるようにしましょう。複数の業者を検討することで費用の相場が分かり、誠実な対応をしている業者を選別できます。
費用を比較する場合には、安さよりも適正価格かを重視してください。高すぎると悪徳業者の恐れがありますが、安すぎる場合も手抜き工事をしようとしている可能性が高いです。
もし業者から「すぐに契約するなら、費用を安くしておきます」という勧誘を受けた場合は、慎重に対応してください。「他の業者の見積書が届いてから検討してお返事します」とお答えし、その場で契約しないように気をつけましょうね。
破風板の素材ごとの注意点
破風板には主に3つの素材が使われています。
- 木材
- 金属
- 窯業(ようぎょう)
それぞれの素材に合った塗料を選ばなければ、不具合を引き起こす原因になります。業者へ依頼する前に知識を身につけておくことで、見積書の内容をより深く理解できるようになります。
あなたの家にあった塗装を一緒に確認しておきましょう。
木材の破風板
少し前まではよく使われていたため、今も木材の破風板が残っている家は少なくありません。ただ、新築の家では他の素材が採用されているため、最近ではほとんど使われなくなりました。
木材の破風板は空気中の水分を吸収して形が変わるため、他の素材と比較すると塗装が剥がれやすいです。修理を頼む時は、伸縮を妨げずかつ浸透しやすい塗料が存在するため、業者へ相談しましょう。
また、木材の破風板は他の素材よりも耐久性が低いため、5年を目安に塗料を塗り直して保護するようにしましょうね。
金属の破風板
金属の破風板は、鉄にガルバリウム合金のメッキが塗られているものが一般的です。防水性や耐震性が高くて丈夫で、近年になり活用が広がっています。必ず錆止めを下塗りした後に、鉄材と相性の良い塗料を塗っていきます。
ガルバリウム合金の耐久性は約25年といわれていますが、耐用年数が経過する前にも定期的にメンテナンスしましょう。錆びて穴が空き、中の鉄までも錆びてしまうと早めに修繕しなければならず、結果的にコストがかかってしまいます。10年前後を目安にメンテナンスして機能を維持させるようにしましょう。
塗料は黒や紺色などがベーシックですが、青や緑など豊富な色を展開しているメーカーもあります。自分の希望する色を扱っているかを業者選びの参考にするのも良いでしょう。
窯業の破風板
近年で最も使用されている素材です。これから新築したり破風板を取り替えたりする場合に第一候補となることが多いです。陶磁器やセラミック、セメントなどの複合材を窯で高熱処理することから「窯業」と呼ばれます。
窯業系の破風板は耐久性や耐火性に優れています。一方で、セメントが使われている場合には吸収率が良いため、水捌けの良い塗料を選択しましょう。剥がれてくると機能面の劣化はもちろんですが外観も損なうため、早めの塗り直しをおすすめします。
破風板の塗装の注意点を守って大切な建物を守りましょう!
今回の記事では、破風板の塗装の注意点や素材ごとの特徴などをお伝えしました。
破風板は屋根や建物を雨風から守る役割を果たしていますが、あまり知られていないため、ついつい見過ごされてしまいがちです。状況を頻繁に確認する必要はありませんが、たまには劣化していないか目を配りましょう。