漆喰は外壁材としても魅力な素材です。機能的な上に見た目が美しいため憧れを持つ方も多いです。
新たに住宅を建てる方からリフォームを検討している方まで、最適な選択ができるように一緒に確認していきましょう。
漆喰とは
漆喰の原料や特徴を解説します。漆喰にはいくつか種類がありますが、外壁材として使われることの多いものを深堀りします。
漆喰の特徴
漆喰とは石灰を主原料とした石灰系材料とされる自然由来の外壁材です。和風から洋風まで幅広い建物に適しており、世界の各国で使われています。
漆喰は種類が豊富ですが、外壁に使われるものは主に4種類です。
種類 | 特徴 |
本漆喰 | ・日本では古くから一般的に使われている・漆喰本来の高級感がある真っ白な色をしている・消化灰と海藻、麻繊維、のりを混ぜてつくられている |
土佐漆喰 | ・厚塗りであり防火性や耐久性が高い・降水量の多い高知県の気候に適している・施工後から色が変化する(クリーム色→少し黄味のある白)・消化灰とわら、水を混ぜてつくられている |
琉球漆喰 | ・断熱性や調湿機能が優れており、台風が多暑さの厳しい沖縄の気候に適している・わらの割合が土佐漆喰よりも多く、濃い黄色〜薄茶色をしている・生石灰とわら、水を混ぜてつくられている |
西洋漆喰 | ・耐用年数が100年を超える・消石灰、大理石、砂などを混ぜてつくられている |
また漆喰と比較される珪藻土は軽装という植物プランクトンの化石が原料です。漆喰よりも調湿効果が高いですが、耐久性は漆喰の方が優れています。
漆喰のメリット
経年劣化しにくい
漆喰は耐久性が高い素材です。耐用年数は100年を超えるといわれています。また年数が経つほどより耐久性が増します。気硬化性という性質をもっている漆喰は、二酸化炭素を吸収することでより硬くなるのです。
漆喰は昔から日本にとどまらずあらゆる国の建築物に使われてきた素材の1つです。城や古蔵に使われてきた歴史的背景からも、その耐久性の高さが伺えます。
抗菌性がある
漆喰は水分や湿気を吸収して吐き出す性質を持っています。湿度を調整してくれる上に、ホルムアルデヒドなど体に外を与える物質を分解してくれます。
また漆喰の主原料である石灰石はアルカリ性であり、菌を死滅させる効果を持っています。また、人の体臭や排水口の臭いなどの酸性の臭いを中和し、消臭する効果も期待できます。
耐火性がある
漆喰は燃えない素材です。
漆喰は昔から城などにも使われ、防火性の高い安全な建物をつくる上で役立てられています。
漆喰のデメリット
施工時間と手間がかかる
養生後は下塗りと仕上げ塗りをしますが、十分な乾燥期間を設ける必要があるのです。例えば30坪の住宅であれば漆喰を乾燥させるだけでも2〜3週間必要です。
漆喰は工程も多い素材であり、現代は普及しているモルタルや窯業系サイディングと比較すると1.5〜3倍ほどの施工期間がかかります。ただし他の素材のように何度も張り替える必要はないため、なるべく長持ちする素材を希望する場合に適した素材といえます。
傷やひび割れが起きやすい
尖ったものでこすってしまうと傷が付いてしまいます。デリケートなため生活しながら気をつける必要があります。また、地震などの揺れによりひび割れする可能性もあります。
漆喰の施工ができる業者が少ない
漆喰塗りができる業者が少ないため、世の中に普及しにくいといわれています。漆喰は職人の技術力により仕上がりに差が出てしまうため、熟練した職人のいる業者へ依頼することが大切です。