建物の印象を司る外壁は、約10年に1度メンテナンスが必要になります。
頻繁に行うものではないためどのような流れで進むのか分からず、「外壁工事をしたいけど、仕事やプライベートの都合上どんな日程で進むのかを知りたい」
という疑問をお持ちの方も多いかと思います。
それぞれの工程にかかる日数を知ることは、業者の説明をよりスムーズに理解できたり、工事の間の生活をイメージしやすかったりとたくさんのメリットがあります。
また、中には必要な工程を省く悪徳業者も存在するため、騙されないためにも目安となる期間について知っておくことが大切です。
外壁塗装の流れや期間に加えて、外壁工事を始めるまたにやるべきことについてもまとめましたので、失敗せずに外壁工事を進められるようにぜひ確認してみてください。
外壁塗装の流れ・所用期間は?
外壁塗装の工程や、工事前に確認すべき内容についてまとめましたのでぜひご覧ください。
1.外壁塗装の流れ・期間の目安
最低でも2週間は見ておくようにしましょう。
おおまかな流れは以下の通りです。
工程 | 所要期間 | 工事内容 | |
---|---|---|---|
1 | 仮設足場、シート設置 | 1日 | 作業員が上に登って作業するための足場を作ります。また建設基準に基づき、防音かつ安全のためにメッシュシートをかけます。 |
2 | 高圧洗浄、バイオ洗浄 | 3日 | 外壁塗装前の欠かせない工程です。ほこりやカビ、汚れに加えて剥がれかかった塗料をしっかり落とすことで、後に塗る塗料をより定着させます。洗浄は1日あれば完了しますが、乾燥させるために48時間程用[渡邉5] かかります |
3 | 下地処理 | 1日〜 | 土台となる外壁を調整する工程です。ひび割れやモルタルの補修、シーリングの打ち替え・打ち増しなど、建物の状態により必要な処置を施します。細かい作業ですが必要不可欠な工程なので軽視する業者は要注意です。どの程度の日数がかかるかはその建物の状態によりますので、見積もりの段階で確認しておくと良いでしょう。 |
4 | 養生 | 半日〜 | 塗装をする際に、塗料が周辺に飛び散っても大丈夫なように周辺を保護する作業を養生、もしくはマスキングと呼びます。マスキングテープやビニールシートなどで、手すりや植物、周辺に置いてあるバイクや自転車などを包んだり覆ったりして、飛散した塗料から守ります。 |
5 | 養生・下塗り | 3日〜 | 通常、下塗り・中塗り・上塗りの合計3回塗装します。下塗りでは「シーラー」と呼ばれる接着剤のような役割を果たす塗料を塗ります。中塗りと上塗りで使う塗料が外壁に染み込まないようにしたり、より色みを鮮やかにしたりなどの効果があるといわれています。外壁の状態によっては、下塗りが2回必要なこともあります。 |
6 | 中塗り | 1日 | 2回目を中塗り、3回目を上塗りと呼びます。上塗り1回だけではどうしてもムラができるため、中塗り・上塗りの2回に分けることできれいに仕上げられるのです。色がより映えて、耐久性も増します。中塗りが終わり、しっかり乾燥させてから上塗りの作業に入るため1日ずつかかると計算します。 |
7 | 上塗り | 1日 | 上塗りは中塗りと同じ塗料を使います。一戸建ての場合は、基本的に中塗りと上塗りは同じ色・濃さの塗料を使います。大きな建物で複数人の職人が作業に取り掛かる場合には、仕上げに影響が出ない範囲で中塗りと上塗りの色を変えて、誰が見ても上塗りしていない部分が分かるように工夫することがあります。 |
8 | 点検・足場の解体 | 塗り残しや仕上がりなどについて確認が終わったら、養生で使用したテープ類を剥がし足場を解体します。足場がなくなると建物全体をくまなく見ることができるようになるため、塗り残しや周辺に塗料が飛び散っていないかなど、最終的に確認しておくと安心です。 |
2.外壁塗装の流れ・日数について確認すべきこと
外壁塗装に入る前の打ち合わせの段階で、上記のような流れや期間になっているのかを確認しましょう。
業者さんによっては工程表をくれる場合があります。
もし1週間程度で完了するといわれた場合には、必要な工程が省かれている可能性があるため全ての工程や使う塗料について確認してください。
下地処理をしなかったり、中塗り・上塗りの工程を踏まず1回で終わらせようとしたりしている可能性が考えられます。
業者の方の打ち合わせを受け身の姿勢で聞くだけではなく、一般的な基準から大きくそれていないかどうか確認するようにしましょう。
外壁塗装の前後でやるべきことは?
外壁塗装の工事に入る前にやるべきことについてまとめましたので、確認してください。
1.最初に外壁塗装の業者へ連絡する
業者に連絡をして建物の状態を見にきてもらうための約束を取り付けます。
業者の方が、調査した内容をもとに施工内容や見積もりをもらえますので、複数の業者へ連絡して相見積もりを取るのも良いでしょう。
ただし、極端に安い場合にも、値段にすぐに飛びつかず、なぜ安く済むのかを確認してください。
外壁塗装は正しい工程を踏めば10年は保ちますが、手抜きの施工をされると2〜3年で塗り直さなければならなくなり、結果的に高くついてしまいます。
目先の安さにとらわれずに、着実に工程を踏む業者を選定するようにしましょう。
2.外壁塗装前後の近所の挨拶周り
工事の1週間前になったら、ご近所へ挨拶に行くことをおすすめします。
親切な工事業者の場合は依頼主に代わって回ってくれることもありますが、事前に自分自身の口から話しておきましょう。
「二度手間なのでは?」と思うかもしれませんが、近所の方と良好な関係を築くためには直接話す方が良いですし、仮に工事業者の方が回る際も事前に依頼主が挨拶しておく方が話しやすいですよね。
近所の方へ具体的に伝える内容としては、工事の音による騒音、塗料の匂い、車や足場による場所取りなどが挙げられます。
ご近所の方が過ごし方を変えたり、心構えを準備したりすることができるでしょう。
事前に誠意を示すことで、万が一トラブルが発生した際にも少しは対応しやすくなるので、必ず工事へ入る前のご近所周りは怠らないようにしましょう。
3.外壁の周囲にあるものを片付ける
外壁塗装をする際には、家の周囲にある車やバイク、自転車、植物などは出来る限り片付けておくと安心です。
外壁塗装をする間は業者の方が何周も歩き回るため、気をつけていてもぶつけたり汚れたりする可能性があります。
もちろん塗装前には塗料がつかないように必ず養生しますが、もし移動できるものがあれば避難しておく方が良いです。
特に植物などの塗料がついたら取り返しのつかなくものについては、なるべく自宅の中に移動しておく方が良いでしょう。
また、足場を組む際にスペースを確保するため、車やバイクなどは別の駐車スペースを用意することになる場合もあります。
業者の方がより安全に作業できる環境をつくるためにも、外壁の周囲にはなるべくものを置かない方が良いということを念頭に置いておきましょう。
初心者の方も外壁工事の流れを知っておくと安心です!
今回は、外壁塗装の流れや期間の目安をお伝えしました。
外壁塗装は事前準備から工事中まで気遣うことがありますが、事前に知っておくことでより安全に作業が行われます。
基本的には業者の方に任せれば安心ですが、中には必要な工程を省いて作業する悪徳業者も存在しますので、今回の内容を業者選びの際の参考にしてみてください。